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No.002
嫌われ松子の一生(映画)
【紹介してくれた人】長岡 千裕さん(精神保健福祉士/障害者相談支援事業所勤務/宮城県)
【お勧めする理由】
(※多少ネタバレを含みます)
この映画は川尻松子というひたむきに愛を求めて生きた一人の女性の人生を描いた物語です。
キャッチコピーは「松子。人生を100%生きた女。」
決して幸せとは言えない境遇なのにただ健気に愛を求めて必死に生きる松子の人生が描かれます。
物語の後半、全て諦めた松子は汚れたアパートで何もせずに引きこもり、発症します。
私は普段、訪問支援を生業にしている精神保健福祉士です。松子がアパートに引きこもっているシーンが強烈に心に残っています。これまでの人生があって、今の松子がいるとして、そこに福祉の人間として「初めまして」と訪問(登場)した時に松子の目に自分はどんな風に映るのだろう、きっと追い返されるのではないのだろうかと思いました。福祉の人の訪問というのは、その人の人生に置いて決して豊かな意味を持つものではないのだろうと考えました。
松子が求めているのは、医療保健福祉サービスの援助者ではないことは明らかです。でももし、「松子さんの話を聞いてください」とか「松子さんの暮らしに支援が必要そうだから訪問に行ってもらえませんか?」など言われた時に、松子のこれまでの精一杯の人生に対して、自分は支援者としてどんな出会い方をしたら良いのか、どんな気持ちでどんな姿勢でどんな顔をして松子のところに訪問に行けば良いのか、今でも答えが見つからなくて私に問い続けています。
「援助する立場」を得たときに、皆さんはどのように松子に出会うでしょうか。一緒に問いを追いかけたく、この映画を紹介させていただきました。
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