Vol.01 ザキさんとの対話
第5回目「ザキさんの1週間」(2022.01.10)
年代:30代 地域:静岡県
所属:相談支援事業所
働いて何年目か:ピアスタッフとして2年目
※ピアスタッフの業務として出向く施設としては、他に相談支援事業所と同じ法人内の精神科救急病院・地域活動支援センターなどがあります。
山崎 将展さん
(呼ばれたい名前:ザキさん)
この第5回をもって、ザキさんとの対話は最終回となります。
今回はピアスタッフとして働くザキさんの1週間の動きのご紹介です。ピアスタッフといっても一週間の勤務時間数も人によってそれぞれですよね。ピアスタッフの働きを知れるひとつのヒントとなれば幸いです。
※事実を基に、とある週のザキさんの1週間
お休み
僕自身が受診をして、お薬をもらって、デイケアでお食事をもらっています。このデイケアは勤務先とは違う法人です。
お仕事
10〜16時
所属している相談支援事業所と同じ法人内の地域活動支援センターでの仕事。
地域活動支援センターに行って、みなさんと卓球をすることがあったり、お散歩をしながら図書館に行ったりします。「こんな本あるんですね」なんてお話しをしたりします。
お休み
上司が別の場所での仕事で、上司に会えないのでお休みをいただくことが多いです。
お仕事
10〜16時
所属している相談支援事業所と同じ法人である病院でのお仕事。
急性期病棟でフリートークの会、SDMの面接、職場のミーティングに参加します。
お仕事
10〜16時
月1回の相談支援事業所全体のミーティングがある日です。
一人一人が「いまこんな仕事してます」とか話をしたり、管理者が「こんな話が上から来てます」と話をしたり、僕らピアスタッフは「これこれこういう仕事してます」と(ピアスタッフ)2人で報告や共有をしたりします。その他、事務仕事をすることが多いです。
お仕事
10〜15時半
訪問から直帰。
地元のピアサポート連絡会(ピア連絡会)を職場でやっており、事務局として参加します。この日は自分がファシリテーションをしました。「今日は何時から何時まで○○があります、議題としてはこれくらいあります」などと話し、そのあと2班に別れてフリートークをしてもらいます。
午後は余暇支援として訪問に行ったりします。利用者さんとごはんに行ったあと、ある日は映画に行ったり、ある日は喫茶店に行ったり、それでお話をしたりとかね。あるいは神社によってお話をしたりして過ごす感じですね。この訪問はいつも同じ方に対してで、月に1回程度に訪問しています。
お休み
なお、こちらの動画から生のザキさんの声や、今回のインタビューにおけるやり取りの一部を見ることができます。(約5分の動画)
大変短い動画で恐縮ですが、よかったら是非ご覧くださいね。
以下、しっぷろメンバーからいつくかご質問し、ザキさんにご回答頂きました。
【余暇支援について教えてください】
相談支援事業所の利用者さんに対して行っています。
待ち合わせ場所を決めて、就職の相談に乗ったり、一緒に食事をしたり。映画も一緒に見たことがあります。その中で利用者さんの別な一面を知ることができます。好きなゲームの話で盛り上がった時は、「ああ…たぶん似たような傾向があって、ツラかったのだろうな」とか。
【余暇支援をしている方とはどのように支援が始まったのですか?】
もとは元々入院患者さんで退院支援をしました。その時から続いているご縁です。入院してから退院まで一緒だったのは、はじめてのケースでしたね。自分と経験がかぶったので、こういうことでお困りかな?ということでお話をしていたら、たまたま上司だけではなくて病棟の同僚も支援の方向性で困ったことがあって。その時に僕がピア性の一つとして経験を上司や同僚に伝えました。そうしたら方向性が仮に決まって、今ではその方は働きながら地域生活をされています。
【お休みはとれますか?】
予定表をばーっとみて、ここ休み入れたいので「ここ有給使っていいですか」と伝えたりします。
上司に言いやすいので、いま非常に働きやすいです。予定表をばーっとみて、ここ休み入れたいので「ここ有給使っていいですか」とかね。1年くらい前までは本当に体調悪くってその日に休んじゃって。社会人としてよくないけども。
いまはどちらかというと去年度の3月からはずっと皆勤賞なもんで、その奥の手は使ってないんですけど。でも疲れたって言えば、ちょっと業務軽めにしましょうとか有給使うならどこがいいという話になります。上司と相談してます。上司に言いやすいというのは大事。ピアスタッフがバーンアウトするかどうかは、上司との関係性というのは左右される、とも書いてあったので、今非常に働きやすいです。
【(働く中で)こころがけていることは?】
こころがけていることは、たいていうまくいかないんですけど(笑)
最近は、あまり自分の治療歴はこうだとか押し出さないようにしています。
ただでさえちょっと圧がある人なので、僕はね。元気そうだなと見られたりとか、ピアスタッフだからすごいね、とか言われたりすることもあるので、ちょっとあまり(強くは)いかないようにしていますね。
あとは最近気をつけているのは、言いたいときに言いたいことを言うってことかな。
これは人生楽になるポイントで、元気になる秘訣かな。
今は「最後の方で話を添える」という技術について練習しています。圧の具合が変わるような手応えが少しあります。
患者さんには自分のことを押し出しすぎない。
言いたいときに言いたいことを言っている。
【仕事が面白いと感じるのはどんなところ?】
その時々で楽しいことやつらいことはありますが、仕事がおもしろいというのは大事ですね。
患者さんが元気になるというのを僕らの業界だと目指さないといけないところだと思いますが、それにプラスして、同僚が元気だと、僕らもやる気になりますね。
(同僚と)お互いに助け合ったりして、同僚も患者さんも僕自身も元気だというのは、面白さの秘訣だと思います。患者さんが元気になっていく姿と、上司・同僚から元気をいただいてます。
患者さんが元気になっていく姿と、上司・同僚から元気をもらうこと
ザキさんへのインタビューはこれで終了となります。計5回に分かれてのゆるやか掲載でしたが、お読みいただきました皆様、どうもありがとうございました。ピアスタッフ・ピアサポーターと呼ばれる方々の働き方は決まった形がなく、あくまで一例としてお読み頂けますとありがたいのと、ピアスタッフ・ピアサポーターってどんなことやっているの?ということを知るひとつのきっかけとなっていたらとても嬉しいです。ご協力頂きましたザキさん、本当にありがとうございました。
しっぷろでは今後もまた別のピアスタッフ・ピアサポーターの方へのインタビューをお届けしたいと思っておりますので、インタビュー第2弾もどうぞお楽しみに!